小児皮膚科

【小児皮膚科】

小児によく見られる皮膚疾患

アトピー性皮膚炎いぼ しもやけ とびひ いぼ 水いぼ 水ぼうそう アタマジラミ など

アトピー性皮膚炎

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しもやけ

寒冷刺激により生じる皮膚の炎症で,手足や耳介などに,かゆみや痛みを伴う赤みが生じます。症状がひどい場合,水ぶくれや皮膚の損傷をきたすことがあります。平均気温が4-5度前後で,1日の温度差が10度前後の日が続く,晩秋や早春に多くみられます。治療は,ビタミンE内服および外用,ヒルドイドソフトをはじめとする保湿剤の外用を行い,炎症が強い場合,ステロイド薬外用を併用します。当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)をお湯に溶かして飲む治療を行うこともありますが,患者さんによっては苦みを感じるかもしれません。エアコンや衣類・防寒具などで,できるだけ皮膚の温度差を最小限にすることが予防につながります。

とびひ

細菌が原因でおこる病気です。アトピー性皮膚炎や虫さされなどをかきむしることによって,あたかも火の粉が飛び火するように全身に広がります。とびひには,大きく2つに分けられます。即ち,乳幼児にかかりやすく,夏に多くみられ,水ぶくれやじゅくじゅくした赤みが認められるものと,季節や年齢に関係なく,全身にかさぶたが出現し,発熱やのどの痛み,リンパ節のはれを伴うものがあります。

治療は,シャワー浴を行った後,ガーゼに抗生物質の軟膏や亜鉛華軟膏などをぬって患部をおおい,抗生物質の内服を行います。湿疹様の変化やかゆみを伴うことがあるため,抗ヒスタミン薬をも内服することが多く,場合によってはステロイド薬の外用を併用することがあります。かなりの重症例をのぞくと,患部にガーゼを巻いて保育園・幼稚園・学校へ行くことは問題ありません。ただし,とびひが完全に治るまでは,プールは絶対に入ってはいけません。汗をかいたら早めにシャワー浴などで皮膚を清潔に保ち,タオルを家族で共用しないことが予防法として重要です。

いぼ

ヒトパピローマウイルスによる,指先や足の裏に生じる病気です。色々な種類がありますが,最もよく目にするのが尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)といういぼです。免疫力が弱い小児のアトピー性皮膚炎患者さんなどによくみられます。尋常性疣贅のほとんどは表面ざらざらしていますが,小さなものは平らですべすべしていることがあります。足裏にできたものは,うおのめやたことの区別がつきにくいことがあります。いぼでは,カミソリなどで表面をスライスすると,点状出血をきたしますが,うおのめやたこではそのようなことはおこりません。

治療は,液体窒素による凍結療法が基本です。多発例では,しばしばヨクイニン(ハトムギ)の内服を併用します。治療効果を上げるため,いぼをかみそりなどで削ってからの凍結療法,トリクロロ酢酸,ザーネ軟膏,サリチル酸ワセリンなどの外用薬を併用するといった,様々な工夫を行います。足底にできた巨大ないぼは治りにくく,ヨクイニン以外の内服薬を併用することもあります。

(黒川晃夫,下江文子 「巨大化した尋常性疣贅に対し十味敗毒湯と排膿散及湯が有効であった1例」 漢方と診療 2017)

水いぼ

伝染性軟属腫ウイルスによる病気です。いぼと同様,免疫力が弱い小児のアトピー性皮膚炎患者さんなどに多くみられます。数㎜程度の,中央がくぼみ,ドーム状にふくらんだブツブツが多発します。自然に治ることもありますが,広がるようであれば,全て取ってしまう方が無難です。患児にもよりますが,少数ならばそのまま取り除き,多数存在する場合は,あらかじめ麻酔のしみこんだテープを貼り,2時間程度おいてから除去するようにします。アトピー性皮膚炎などの湿疹の症状が強い場合,まず,湿疹をある程度治し,症状が落ち着いてから除去するようにします。水いぼがみられる皮膚のほとんどは乾燥し,バリア機能が低下しています.このため,再発予防として,水いぼがなくなっても,乾燥した皮膚に対し,引き続き保湿剤などによるスキンケアをする必要があります。湿疹があれば,それに対する治療も併せて行います。湿疹があれば、それに対する治療も併せて行います。なお、自費になりますが、取らずに2-3カ月外用して治すクリームも販売しています。

水ぼうそう

水痘・帯状疱疹ウイルスという,ヘルペスウイルスの仲間による病気です.このウイルスは,はしか,結核と並び,空気感染(くしゃみなどで飛び散ったウイルスを含む物質が空気中をただよい,それを吸い込むことで間接的に感染すること)します。ウイルスに感染すると,約2週間の潜伏期を経て37度ないし38度の発熱および体中に赤いブツブツができます。ぶつぶつはやがて水ぶくれとなり,2-3日でかさぶたになります。軽い水ぼうそうは,虫刺されとの区別が困難なことがあります.ほとんどは,見た目などで診断がつきます。2017年よりデルマクイックVZVというキットが保険適応となり,5-10分程度で水ぼうそうや帯状疱疹の診断が可能となりました。

治療は,中等症から重症ではヘルペスウイルスをおさえる薬を内服し,フェノール亜鉛華リニメントなどを外用します。2014年より水ぼうそうワクチンを,1歳の誕生日の前日から3歳の誕生日の前日までに,3カ月以上の間隔をあけて2回接種することが定期化されました.このため,ワクチン接種以前にみられた,冬から春の流行もはっきりしなくなりつつあります。水ぼうそう水ぶくれができる1-2日前から全ての水ぶくれがかさぶたになるまで感染力があるため,登園,登校は水ぶくれが全てかさぶたになってからになります。

アタマジラミ

シラミにはいくつかの種類がありますが,学校内で流行するアタマジラミが最もよくみられます。頭に寄生し,頭皮の血を吸います。頭がかゆくなりますが,赤みやブツブツは目立ちません。頭がかゆく,頭の毛にラッキョウのような形をした小さな半透明なものが付着していれば,顕微鏡でアタマジラミの卵かを確認します。兄弟・姉妹でうつしあうことが多く,アタマジラミの子供さんがいたら,家族全員,アタマジラミにかかっているかチェックする必要があります。治療は,可能な限り髪を短くし,アタマジラミが寄生している子供だけでなく,家族全員スミスリンシャンプーを用います。髪の毛をぬらしたあと,スミスリンシャンプー約20mLをふりかけ,頭全体を泡だてるようにシャンプーし,5分ほどおいてシャワーなどで洗い流します。スミスリンシャンプーは,3日に一度の割合で,3-5回使うだけで充分な効果が発揮されます。なお,卵に対しては無効であり,スミスリンシャンプーに付いている専用のくしなどで髪の毛をすき,卵を除去します。